巷で発売が待たれていたKOJOEとOlive Oilのジョイントアルバム”blacknote”が完成。”ホンモノ”同士の音と言葉、そして画、全てが揃い、この作品に”命”が宿り、”クラシック”として世に放たれる。

どの時代でもクラシックと言われる作品は地下で真の輝きを放ち、闇の中で強く生き抜き、陽を浴びる事が出来ぬ儚い命を優しく、時に厳しく照らす。この人生と言う名の映画にてそれぞれの想いを馳せ、その生涯を全うするまで、どれだけの人達が”命”を感じる音楽に出会い、その”命”を各々の人生のサントラにする事が出来るのだろう。”命”と呼ぶには程遠い音楽が蔓延する現世においてここ日本で初めてKOJOEは紛れも無い”命”の職人と出会う事になる。その名はOlive Oil。福岡を拠点とするOILWORKSの首謀者である。魔術師とでも言おうか、自由自在にその “命”を操りKOJOEは何かに取り憑かれた様にペンを走らせた。”命”に導かれるまま、”音”が語りかけてきた事を何も逆らわずにただ答えるだけ。
正に”命”と”人”、”Olive Oil”と”KOJOE”の”命”の会話が本作「blacknote」である。しかしこの「blacknote」、音楽だけでは完璧な作品とは言えない。アルバムを体験する上で入り口とも言えるアートワークが無ければ顔無しのっぺらぼう同然である。音が無くともその”命”を感じさせてくれる絶対的なアートを操るもう一人の職人がPopy Oilである。少年が握るグロックから放たれる音符の銃弾が、日本を握るスーツ姿の政治家風の男の頭をぶち抜く。飛び散る闇と光に込められたメッセージは歌詞よりも深く突き刺さり、リスナーの想像力を掻き立て、音の無いハーモニーを奏でる。 あまりにも強いインパクトのジャケットではあるが、KOJOEは期待に応えた内容の濃いアルバムを完成させた。闇から産まれた言葉を書き連ねたノート。それが「blacknote」である。この3人のハーモニーがここに”命”の宿ったクラシックを誕生させた。

Comment
アメリカが、もはや一概には、白人優位社会とは言えなくなって久しいが、たとえば伝統的なブラック・ミュージック、すなわちアメリカのアフリカ系のソウル・ミュージックは、日本で暮らす我々が人生の苦境に立ったときに、前向きになれる力をいまもなお持っているのだろうか?彼らの過酷なゲットーと我々のこの空しいゲットーとを繋ぐ回路はあるのだろうか?コージョーとオリーヴオイルは「ある」と答えるだろう。ラップは生き生きとリズミカルで、素晴らしいフローを持っているが、同時に深いエモーションをもって突き刺さる。トラックは、オリーヴオイルらしい魅力的な実験を展開しながら、ロータリー・コネクションからUKレゲエのアズワドまでと、彼のブラック・ミュージックへの愛情が随所に見られる。by 野田努

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01. Out of Breath
02. Gunpoint
03. Rodeo feat. 道
04. 回る feat. RITTO & 田我流
05. Shine
06. 外人
07. Chilaxxxation feat. 5lack
08. Nation
09. Perfect Trauma
10. Who ey hoe
11. imperfections
12. 黒帳 / blacknote